生活習慣病について思うこと
※こちらでは不定期に考えていることなどを記載していきたいと思います。
今回は生活習慣病について書かせていただきます。
生活習慣病とは、高血圧、コレステロール異常、糖尿病、高尿酸血症などをまとめた呼び名です。名前から、生活次第で改善・悪化するものだという印象を持つ方が多いようです。しかし、実際には生活だけでなく、体質や遺伝、加齢などの要因も大きく影響するため、必ずしも生活の改善だけで対処できるわけではありません。(以前は「成人病」と呼ばれていましたが、個人的にはその名前のほうが適切だと感じています。)
よくあるのは、生活習慣が主な問題でないにもかかわらず、生活を過度に厳しくしすぎてしまう方です。本来、生活習慣病の治療の目的は、健康に楽しく長生きすることです。生活を極端に制限してしまい、楽しくなくなってしまうのは本末転倒です。
さらに、適切な治療の開始時期を遅らせてしまうことで、動脈硬化などが進行する可能性もあります。よく「薬を使わずに治療したい」とおっしゃる方がいますが、その意図は理解できるものの、こだわりすぎるあまり治療のタイミングを逃すことがあります。その結果、脳や心臓、腎臓などの病気が進行し、必要な薬の種類が増えてしまう可能性もあります。
また、体質が要因だからといって生活習慣を適当にして良いというわけでもありません。体質や遺伝が土台となっているだけで、生活習慣の乱れが重なると相乗効果で症状が悪化しやすくなります。このバランスの取り方は難しく、個人によっても異なります。
生活習慣病と診断された方は、一度、ご自身の病気が本当に生活習慣によるものなのか、主治医にご相談いただければと思います。