飲んでいる薬への理解
昨今、薬剤には付加価値が認められるものが増えてきています。
私の専門である糖尿病の薬においても、心臓や腎臓の保護効果や減量効果が期待できるものがあります。医学の進歩は目まぐるしく、日々新しい情報を追い続けていないとあっという間に置き去りにされてしまいます。
しかし、こうした付加価値を目的とした処方によって、「○○の病気ではないのに△△の薬を出された!」といった誤解が生じることがあります。困ったことに、医療従事者であっても薬の用途が十分に理解されていないケースも見受けられます。こうした背景を踏まえると、病院から離れた、あまり普段関わりのない薬局では医師の意図が十分に伝わらず、処方までにお待たせしてしまう原因になることもあります。
また、もともと想定されていなかった用途で使用される薬も増えています。例えば、
• てんかんの薬 → 頭痛
• ピル → 生理痛
• EDの薬 → 肺高血圧
• うつの薬 → 痛み止め
といった例が挙げられます。もともとの薬のイメージが強く、こうした用途に対して周囲の理解を得られないこともあります。特にピルに関しては、親御さんの理解が得られず、治療を開始できなかったり、中断せざるを得なかったりするケースも珍しくありません。
しかし、近年では医師側も積極的に情報発信を行っており、WEBやSNSを通じて正しい知識が広まりつつあります。こうした情報を活用し、周囲の理解を深める一助となれば幸いです。
もちろん、受診の際に気になることがあれば、遠慮なくご相談ください。